会長挨拶

- 第65回日本リウマチ学会総会・学術集会
- 会 長 竹内 勤
慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科 教授
第65回日本リウマチ学会総会・学術集会を、2021年4月26日から28日の3日間、神戸コンベンションセンターで開催させていただきます。伝統ある日本リウマチ学会の会長を務めることは、大変な名誉であると同時に、大きな責任を感じております。参加された方々にご満足いただける学術集会にするため、従来にもまして努力を傾注いたす所存です。ここで改めて、皆様のご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。
第65回大会のメインテーマは、『自我作古』と致しました。『われより古(いにしえ)を作(な)す』という言葉は、中国の歴史書宋史にある言葉です。前人未到の新たな物事や規範を作り出して、後々の先例となるようにするということです。リウマチ学は、筋骨格系に症状・兆候を呈し、同時に全身にその影響を及ぼす広範な疾患群を対象として、その疫学、病因・病態、診断、検査、治療薬、治療法などについて大きく発展を遂げてきました。その知識は近年膨大になり、最新の情報を得て、それを的確に解釈し、患者さん、医師、医療者、そして社会へと伝えていくたゆまぬ努力が学会には求められています。私達は、リウマチ学において、常に新たな挑戦をし、より良い未来を築いていく必要があります。
リウマチ学の中では、地道な疫学研究や病態研究によって疾患の考え方が変わった領域、新たな疾患概念の提案、新規治療法の効果が明らかになった領域、新しい手法の導入によって新たな仮説が提唱された研究など、その進歩はここに書き切れないほどです。感染症や悪性腫瘍など、無関係にも見えがちな領域とリウマチ性疾患との関係、とりわけ最新のCOVID-19とリウマチ性疾患などに関する討論や情報交換も行います。第65回日本リウマチ学会学術集会は、これらすべての最新情報を提供する場として、最高の機会にして参ります。
最後になりますが、関係各位の、多大なご理解とご協力を今一度賜りたく、お願いいたします。